『九州を組込みソフトウェア開発の拠点に』
九州は半導体産業と自動車産業、ロボット産業などで強い競争力を持つ企業が立地しています。これらの分野においては、機器に組み込まれてそれを制 御するコンピュータシステム(組込みシステム)が重要です。近年の機械・機器の高付加価値化により、組込みシステムのソフトウェア(組込みソフトウェア) の大規模化・複雑化が著しく、その開発技術の向上が重要な課題となっています。
ところが組込みソフトウェアビジネスは中央集中であり、組込みソフトウェア技術は東京、大阪、名古屋から来ます。技術交流も会社系列になり、開発手法もその中に閉じられており、受託ソフトウェア開発会社の中でも組込みソフトウェア技術者はすくなく組織化されてない現状です。つまり産業として重要な機械、機器の高付加価値は他地域で行われています。これを脱皮して九州の産業活性化を行うには、特徴ある組込みソフト技術者の養成活動を推進し、組込みソフト技術者の技術交流の活発化を進め、高品質な組込みソフトウェア開発が実現できる地域となることが必要です。この目的を達成するために、産学共同の技術交流活動を通じて、会員企業における組込みソフトウェア開発技術を向上させ、それぞれの産業分野における会員企業の競争力向上を目指すべく任意団体「九州組込みソフトウェア研究会」を立ち上げ活動を開始しました。60社の企業、組織団体、20名の個人会員を中心に活動を行い、技術セミナーの開催、検討会の開催をおこないコミュニティとしての枠組みを作りました。
これにより車載電子システム開発、携帯電話開発、情報家電開発を行う大企業内の組込みソフトウェア、中堅機械、装置企業、組込みソフトウェア開発支援企業、ソフトウェア開発を専門に行うソフトハウスなどが複層的に連携するとともに、大学人や大企業のキーマンを中心にこれら大小の企業の技術者・経営者がオープンな情報交換の場を形成しつつあります。
さらに九州を組込みソフトウェアによる高信頼な付加価値創造センターとするために各企業間の垣根をとり共同で取り組むことが必要です。そのために 特定非営利活動法人九州組込みソフトウェアコンソーシアム(QUEST)として次の事業を展開し、高信頼な付加価値創造を九州にて実現します。
平成20年4月11日
特定非営利活動法人 九州組込みソフトウェアコンソーシアム
設立代表者 福田 晃
(九州大学大学院システム情報科学研究院 教授)